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民芸レース_ル_ピュイ_altamar.biz

レースの歴史はご存知でしょうか?

小さい頃、母がレースを編んでくれている側で遊んでいたことを思い出します。ただの1本の糸が機械を通して「ザー、ザー」という音と共にだんだんと形になり、広がっていくうちに少しずつデザインになっていくこのマジックに、心底感心しながらジ〜っと見ていました。 子供の頃はレースがどこから来たのかまでは興味がありませんでした。

ところがこうしてお店を持ち様々な物を仕入れるうちに、どこで始まって生まれたのか興味を持ちました。最近母や義母からレースや刺繍のことを聞き、どうして日本に届いたのだろう?とさらに感心を持つようになりました。いろいろ調べていくうちに民芸と呼ばれるレースを膨大な時間をかけて作っていたのは、普通の村の人だということです。 それがこれからお話しすることです。


レースの歴史はキリスト教巡礼の歴史と重なります。 レースの生まれ故郷として有名なのが、フランスの中央高地のオーヴェルニュ地方。14世紀末に生まれやがて19世紀末にはレース編みは女子修道院の寄宿舎などで教えられ、修道女が職人を育て、やがてフランス各地へ広がっていきました。

フランスのボビンレース

オーベルニュはスペインへ向かう巡礼地で、ロマネスク様式の教会が立ち並び、湖や牧草地帯が広がる美しい山岳地帯です。ヨーロッパの温泉地としても有名で、良質な地下水が豊富に湧いて出てくる豊かな土地。中世には革職人、織物職人などが集まる1000年の歴史もつ土地柄。現在の主要産業は農業です。 ル・ピュイ_フランス・レース発祥の地_地図
特にル・ピュイ・アン・ヴレはボビンレースが有名です。(上記の地図)
この美しい土地で一本の糸から、生まれたのが美しいデザインのレース。
地方産業として発展した後、学校の授業でも女の子の修養としてレース編みが教えられましたが、産業革命後は大量生産をするため機械編みに取って代わられました。

職人を育てるのに時間がかかる上、生産に膨大な時間がかかるため今では芸術品となり、その魅力は輝きを失うことなく手作りレースはごく少量生産されています。愛好家にとって「糸の宝石」と呼ばれる所以です。


時代が一巡して、多様な価値観でモノを選ぶ人が増えてきました。なぜならモノをたくさん持っていても、少しも幸せになれないと気づいたヒトが増えたからです。どんなヒトにも気にいってもらえるようなモノをご紹介するより、まず自分が好きで納得できる製造過程で作られたものをお店に置きたい。

そう思っていたら出逢ったのが
"Le Pompon"。
 

L'Espit
フランス人が
本土で織った布地に
自分の心を込めてデザインし
自分の手でペンを使って線を描き
フランスでプリントされた手仕事です。

素敵なフランスが、まだたくさんあると知りました。

オーヴェルニュ出身の"Le Pompon"のデザイナーはこう言います。
"Then, "the abeille et la ville " pattern is a draw I made with a pen, because I am so sad that we are losing bees because of chemicals. So I thought it was a kind of homage that I can do." 「ミツバチと都会」のパターンは私がペンで描きました。なぜならミツバチが化学薬品によって姿を消してしまっていることがとても悲しいから。(自然に対して)敬意を表するために私ができることのようなものを考えたのです。


 

The fabric I use for printing is made of french linen. This fabric is very interesting because it is very green (do not need pesticids or chemicals, do no need water) and the entire fiber can be used : it is a " zero waste fiber ".
プリント地はフランス産のフレンチリネンを使用しました。このリネンは大変興味深いのですが、とてもエコフレンドリーなのです。(農薬や化学薬品を使用しないため、製作時に水を使いません。)ですから生地をまるごと使えます。まさしく「ムダがない繊維」なのです。デザイナーのルーシーさんはオーヴェルニュ地方の出身で、子供の頃にこのボビンレースの技術を学んだそうです。




水や伝統工芸はヒトが気をつけていないとすぐに汚れてしまいます。数百年の時を経て、フランスで生まれたレースが形を変えて日本に届きました。
→click "Le Pompon" 
→ボビンレース柄小物入れ



I hope this knowledge will not be lost !"
現在はオートクチュール(ハイエンドの注文生産)でしか使われていないボビンレース。オーヴェルニュで生まれた "Aux Fuseaux" Le pompon 「この技術が残って欲しい!」というデザイナーの思いがどなたかに届くことを願っています。 ミネラルウォーターが地中で濾過されて美しい湧水となって出てくる天然水になるように、日本でさらに新しい価値観とデザインになったレース柄のMade in Franceが誰かの心に溶け込んでいきますように。

新しい味がするこの水はほのかな甘みがあり、日本でも有数の透明度を誇ります。レースと言っても多様なデザイン、商品が売られています。好きなレースは温かみのある優しいデザインですか? こうしているうちに新しいレースの歴史がまた始まりそうです。

 

© Edit by Kayo Onodera, altamar.biz